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 (平成16年5月現在)
 現在の日本の犯罪状況

 数年前まで、日本では『水と安全はただ』と言われてきました。
しかし、水は小売店で販売されるようになり、安全神話も崩壊しようとしています。既に、先進国として大きな問題を抱えつつあります。
 そのような中、タクシー強盗対策を語る上で、現在の日本を取り巻く犯罪状況から、説明が必要だと思います。
 現在、内閣府の『社会意識に関する世論調査』では、「悪い方向に向かっている」と感じる分野で、「治安」を挙げた人が、39.5%と5年間でほぼ倍増しています。(全国20歳以上の1万人が対象。有効解答率69.9%。)
 刑法犯の認知件数は2002年に、約285万4千件と戦後の最多記録を7年連続で更新したが、2003年は約279万件と減少。しかし、凶悪犯罪は増加し、2002年の22,294件から2003年は23,971件と増加。最近10年間で殺人は約15%増、傷害は約2倍に増加している。殺人は2002年の1,396件から2003年は1,452件と増加。強盗は2002年の6,984件から2003年は7,664件と増加。また、昨年刑法犯で検挙された少年は、前年比1.9%増の144,404人。その中で、殺人や強盗等凶悪犯で検挙された少年は、前年比11.4%増の2,212人。特に強盗は前年比11.7%増の1,771人と急増。14歳未満の触法少年の凶悪犯も増加。補導は同47.2%増の212人で、16年ぶりに200人を超えた。未成年者を狙った連れ去り事件は、415件。児童虐待による死者は、42人。そして、刑法犯と特別法犯をあわせた来日外国人犯罪の摘発件数は、前年比16.9%増の40,615件。摘発者数は、同23.4%増の20,007人。その中で凶悪犯は、前年より13件多い336件。侵入盗は35.6%増の8,482件。中国人による犯罪が4割以上を占め、「留学」「就学」目的で入国した人の犯罪が目立つ。ハイテク犯罪に関する相談件数は、前年比2.2倍の41,754件。注目すべきは、農水産物の盗難が、前年比80%増の1,000件と急増し、近年の日本では考えられず、深刻な状況と当会では分析。そのような中で、2002年6月施行の改正道路交通法の厳罰化により、飲酒運転による死亡事故件数は前年同期の70%までに削減。(警察庁)
 昨年の1年間の自動車盗は、過去最悪の64,000件。(日本損害保険協会)
 2002年の交通事故を除く、一般刑法犯の検挙率は、8年ぶりに上昇し、20.8%。さらに、2003年は23.2%と連続上昇。さらに、殺人は94.1%、強盗は50.3%、放火は70。0%と凶悪犯罪の検挙率は非常に高い。


 タクシー強盗の現状

 現在、前項に示したとおり、治安の悪化が進んでおります。
 強盗等でみますと、近年急増し、千葉県では20年前から比べると強盗発生率の増加は、全国で1位です。
 また、パチンコ景品交換所、コンビニ、ATM、タクシーなど、人目に付きにくく、手軽で、小額な強盗事件が増えております。
 そのような中で、パチンコ景品交換所やコンビニやATM等では、監視カメラや防犯装置など、ハード面の対策を充実させ、起こしにくい環境を整備しております。その為、手口の荒い犯罪が増えております。
 しかし、タクシーは「動く密室」と呼ばれ、乗務員1名で、深夜も営業と、犯人にとってこれほど犯行しやすい環境はありません。また、タクシー強盗は日々の生活費に困った、若者から中年位の年代層、単独犯が非常に多いのも特徴です。
 そして、既存台数も多く、設備投資に資金が必要であり、事業者間格差など諸問題も蓄積し、有効な防犯対策が均一に整備されておりません。
 その結果、全国の26都道府県で発生しており、年々増加傾向にあります。平成15年中は、前年比34.5%増となっております。特に、大都市圏で発生が頻発し、本年では東京圏でのドーナツ化現象も見られ、その近県に波及しております。
 そして、未遂が少なく、小額強盗にもかかわらず、車内の閉ざされた空間で敢行されるため、目撃者も少なく、傷害や殺人に至るケースも珍しくありません。しかし、必ず1人は犯人の観察者(乗務員)がいるため、他の犯罪に比べ、検挙率は高くなっています。
 このように凶悪事件に発展する可能性が非常に高く、手軽性、安易性、突発性、模倣性が強く今後も続発する事が懸念されております。


 全国のタクシー車両数(平成15年3月統計)

タクシーハイヤー合  計
216,951台46,331台263,282台

 千葉県のタクシー車両数(平成16年4月統計)

タクシーハイヤー合  計
6,866台 6,866台

資料:内閣府 法務省[犯罪白書] 警察庁 日本損害保険協会
   千葉県タクシー協会  社会経済生産性本部



 発生状況

 全 国
平成15年中のタクシー強盗発生件数は、226件で、前年比34.5%増。強盗殺人事件2件、強盗傷害事件58件、強盗事件165件。検挙率は50%。前年比2.4%あがっている。


表-1


 千 葉
平成14年中は、強盗事件は4件に対し、平成15年中は、20件と大幅に増加。しかし、検挙率は全国平均と比べ高い。


表-2


 都道府県別発生状況

都道府県別で見ると、大都市圏での犯行が目立つ。首都圏では、東京都から近県への波及が見られる。

 東京都大阪府埼玉県千葉県福岡県神奈川県兵庫県その他
平成14年59261041812633
平成15年773219191811743
増 減+18+6+9+150-1+1+10


表-3


表-4


 発生時間帯[全国]

午後9時〜午前6時までの発生が、平成14年中は128件、平成15年中が178件と夜から早朝にかけての犯行が目立つ。

表-5


 犯行場所[全国]

犯行場所は住宅街での犯行が、全体の66.8%を占め、運転手も気付き難い、逃走のしやすさを考慮した犯行が目立つ。

表-6

 住宅街ビル街商店・飲食店街工場街農漁村合 計
平成15年1513231930226


 犯人の年齢[全国]

犯人のほとんどが男性で、全体の99.3%を占めている。年齢別では40歳未満が190人で全体の70%を占めている。

表-7


 使用凶器[全国]

事件全体で凶器の使用は、166件で73.5%を占めている。また、使用された凶器のうち80.1%がナイフなど刃物を使用。

表-8
※その他は、スタンガン・アイスピック・ハンマー等を含む。


 防犯設備等の状況

被害車両に防犯仕切版が設置されていたのは、127件で全体の56.2%だった。その内5件は助手席にも設置。犯行の発生には設置状況は関係ないように感じる。

表-9


 負傷と仕切版の関係

被害車両における防犯仕切版の設置状況と負傷の関係は、負傷なしの場合のほうが5.4%高い。しかし、防犯仕切版があるからといって、完全に安全ではない事がはっきりしている。

表-10


 タクシー強盗被害発生場所図

表-11


平成14年中4件、平成15年20件の発生被害場所を図にしてみると、東京都に近い場所で発生していることが覗える。今後、太平洋側・茨城県側への波及が懸念される。また、主要道路から少し入ったところで犯行が多発している。

 強盗被害法人調査アンケート結果

 (千葉県内強盗被害法人19社中12社回答結果)

表-8
法人のタクシー強盗対策状況法人のタクシー強盗マニュアル作成状況

表-8
法人のマニュアル使用訓練状況事業者と乗務員のコミュニケーション状況

表-8
乗務員からの強盗対策改善要請状況乗務員からの改善要請実行状況

強盗対策を行なっている法人の全てが、ハード面の対策でソフト面の対策がなされていなかった。また、対策マニュアルは存在してもそれを利用した訓練は行なわれていなかった。
事業者と乗務員のコミュニケーションは、とれている法人が非常に多い。反面、被害にあった法人にもかかわらず、乗務員からの強盗対策改善要請が少ない。事業者から乗務員へ、しっかりとした報告が必要と感じる。
基本的に、事業者・乗務員共にタクシー強盗に関する危機意識が薄く感じられる。


 実際、被害にあった乗務員の調査結果

 加害者の特徴
 乗車時間20分〜30分の乗車時間の時は注意 が必要。
 犯行場所人気の無い場所で、逃走も目立たないところ。
ある程度、土地かんがある場合も。
 凶 器ほとんどが刃物使用
 雰囲気犯人が一人の場合、ほとんど会話がない。
数人の場合は、会話があることも。
犯行時、強盗は助手席に乗り移ることも、度々ある。


 被害乗務員の経験
乗務員が、強盗だと把握できるのは、犯行直前でそれまでほとんど気がつかない場合が多い。
乗務員が強盗に対し必要だと感じたことは、訓練と近隣住民の協力。
シートベルトが逃げる場合、非常に邪魔になった。
強盗への対処は、逃げる・抵抗・無抵抗の3対応しかない。

 対 策
強盗と早く気が付くことが大切。そして、気が付いても対応出来るようにしなければならない。その為、非常防犯灯を強盗にあってからのものだけでなく、「ひょっとしたら強盗かもしれない」灯版も必要。そして、やはり地域住民や乗客との連携は不可欠。
また、対処として無抵抗を徹底し、落ち着き、相手の特徴をしっかり把握することが大事。検挙率を上昇させることが犯行を減らす。
データ上、無口な20分以上乗車する1人乗客には、注意が必要。


 警視庁[検挙広報看板]の犯罪抑止効果

 警視庁では、「容疑者が逮捕された場所です。」と検挙広報看板を検挙場所に設置。その結果、地域の空き巣被害が前年の78件から16件に、ひったくりは26件から2件に、7割から9割も犯罪が削減。とりわけ、新宿区・大久保では32件あった空き巣が1件と激減。
 犯罪者が一番嫌うことは、『人の目』と『地域の目』である。地域や住民が、犯罪に対し関心を持つことが犯罪を減らすことに繋がります。


 ※これ以上の情報は、防犯対策上公開出来ませんので、ご了承下さい。

資 料:内閣府
法務省〔犯罪白書〕
警察庁
千葉県タクシー協会
日本損害保険協会






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